経営者本

 

「レイ・クロックは頭がおかしいか、夢追い人か、その両方だ」と周囲からささやかれていた男が、後に世界最大のハンバーガーショップチェーンを率いることになる――。本書は、現在世界100カ国以上に約3万店を展開するマクドナルド王国を一代で築き上げた事業家の足跡を追った半生記。 「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」という言葉が、クロック氏の座右の銘だという。それに反することなく、小さなセールス業を営んでいた彼がマクドナルド兄弟の店と出合い、この店に賭けようと決意したのは既に52歳の時であった。本書は彼の成功秘話だけではなく、事業拡大の過程で遭遇した廃業の危機や、冒頭のセリフのような対人関係の歪みまでもを淡々と描いていく。書名の『成功はゴミ箱の中に』も、実際に彼が深夜に競争相手のゴミ箱を漁り、仕入れや消費の数字を調べたというエピソードに由来するものだ。高い志と自らの事業の正当性、合理性を寸分たりとも疑わない信念によって、アメリカンドリームを成し遂げていく様が克明に描き出されていく。


 


コッターが、松下幸之助の生涯を丹念に調べ上げ、分析した。幸之助の人生は、仕事においても私生活においても、常に悲しみと喜び、蹉跌と成功、不安と夢、恐怖と希望が拮抗しつつ同居していた。一つひとつの節目をくぐるたび、幸之助の感情は大きくうごめいたはずだと、コッターは主張する。経営者とは、夢に満ち溢れた熱い人物であるのではない。また理詰めで分析的な問題解決をする人でもない。積極性、論理性より、むしろ一見マイナスに見える面や感情に彩られた機微が大事なのである。それらについて、コッターは、幸之助を公人、私人、心の世界という3つの視点でとらえ、特に幼少期からの心理的外傷(トラウマ)がテーマとなる「心の世界」まで描き切ろうと意欲的に取り組んだ。偉大な経営者に対しても、存在そのものを神格化しないのがコッター流である。経営学分野における有用な分析的伝記であることを神戸大学大学院経営学研究科の金井壽宏教授が解説する。


 


本田は「私の履歴書」でこう述べている。「私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。99%は失敗の連続であった。そしてその実を結んだ1%の成功が現在の私である」 自動車修理工から身を起こし、一代で巨大自動車メーカーを築き上げ、「HONDA」ブランドを世界にとどろかせた希有の成功が1%でしかないならば、残りの99%はなんなのか。本田の言葉をたどると、失敗した99%にこそ、たぐい稀な人間ドラマが見つけられる。 本書は本田が56歳のときに連載した「私の履歴書」と、1962~1991年の足取りをまとめた編著者による「履歴書その後」、さらに「本田宗一郎語録」の3部構成で描きだしている。外国から体中に部品を巻き付けて強引に飛行機に乗り込んだり、四輪自動車への進出を規制する官僚にたて突いたりといった破天荒なエピソードに満ちあふれている。モノづくりへの情熱や創意工夫、物まねを嫌い独創に賭ける精神、ヒューマニズム、そして天才技術者としての側面など、本田の原点もここに感じ取れる。また、強烈な成功体験をもつ創業者の世代交代問題などのテーマも取り上げられている。スーパーカブやN360などの開発経緯は、ホンダのマシン愛好家にとって見逃せないところだ。この本田の壮大な生涯は、不景気に萎縮するビジネスマインドへの大きな刺激となるだろう。


 


オリジナル!! お客さんは無限にいる。要はいかに他店より売るかだ!! 石油も自動車も抜いた売上高世界第1位の小売業ウォルマート。創業者が説く売る哲学、金銭感覚、出店のノウハウ、人事の秘策とは。無敵腐敗の商いのコツ!! 創業以来わずか40年で売上高世界第1位に急成長した、小売業チェーンのウォルマート。創業者サム・ウォルトン亡き後も、その経営哲学・ビジネス戦略は受け継がれ、ついに世界を席巻した。田舎町の商人から巨大企業へと導いたサムの起業理念、不屈のケチ精神、比類なきアイディア、お客や従業員への思い、家族への愛など、身近な人々のエピソードで綴った自伝。ビジネス成功への鍵はここにある!


 


GEを時価総額・世界No1企業に育て上げ、「20世紀最高の経営者」と呼ばれるジャック・ウェルチが、「人材採用のチェックポイント」から、「いやな上司への対処法」「天職の探し方」「中国との競争に勝つ方法」まで、ビジネスで成功するためのノウハウをたっぷりと、驚くほど具体的に明かす。


 


日本マクドナルド創業25周年のいま、藤田田「成功の法則」を集大成。 【目次】 1章 価格破壊は歴史の必然である/2章 デン・フジタの成功の法則/3章 ビジネス成功の法則/4章 規制緩和なき日本に明日はない/5章 ビジネス・チャンスは無限にある


 


戦後屈指の名経営者として知られる著者が、東芝社長時代にした発言の中から、百カ条を採り上げ、編者が解説した語録集。1970年初版の新訂版。 【目次】 すべてにバイタリティを/社員は三倍働け、重役は十倍働く/幹部はえらい人ではなく、つらい人だと知れ/常に将来へのビジョンを描いておけ。それが人々に希望を植えつける/経営に活気をみなぎらせるために幹部がなさねばならぬことは、ビジョンを明示し、目標を高く掲げることである/全社員が共通の価値観で結ばれること、これこそ期待される会社像だ/当社が日本の一角にあるとの観念を一擲せよ。国境を意識するな/これから期待される社員像は「変化に挑戦しうる人」である/組織は上下のヒナ壇ではなく丸い円と考えよ/自分の立場と相手の立場を交換して考えよ。そうすれば正しい行動が生まれる〔ほか〕


 


ゼロから立ち上げたソフトバンクを3兆円企業に育て上げた、稀代の起業家・孫正義。その成功の原動力となったのが、「孫の二乗の法則」である。 これは、孫が20代の頃に自ら考案し、以来常に人生・経営の指針としてきたもの。不朽の兵法書『孫子』からピックアップした14文字に、独自に考え出した11文字を組み合わせた「25文字」の文字盤で表されている。孫子の“孫”と自らの“孫”を“掛け合わせる”という意味から、“孫の二乗”の法則と命名された。 これを片時も忘れないことで、孫はこれまで幾多の苦難を乗り越えてきた。さらに今、後継者候補にも継承すべく、自ら講義を行なっている。 では、私たちが自分の仕事や人生に活用するにはどうすればいいか。その秘訣を本書では伝授。「孫の二乗の法則」を本格的に解説した唯一の書、待望の文庫化! 道天地将法 頂情略七闘 一流攻守群 智信仁勇厳 風林火山海 この25文字の中に、あなたの人生を変える「運命の1文字」がきっとある!


 


「顧客の創造」「知識労働者」…。躍進するユニクロを率いる柳井さんが語る、ドラッガー流の経営論。 【目次】 第1章 顧客を創造せよ(社会に貢献するために企業は存在する/付加価値のある商品を提供せよ ほか)/第2章 人間が幸せであるために(ドラッカーとの最初の出会い/株式上場のとき再びドラッカーに ほか)/第3章 主役は「知識労働者」(全員が「個人商店主」になるべきだ/サラリーマン意識を捨てろ ほか)/第4章 企業は社会の公器だ(「よい企業」であることを追求せよ/難民キャンプ支援と瀬戸内オリーブ基金 ほか)


 


大きくなった組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分けて独立採算することで、現場の社員ひとりひとりが採算を考え、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現する―。会計の常識を覆す、独創的経営管理の発想と仕組みを初めて明かした「門外不出の書」、待望の文庫化。 【目次】 第1章 ひとりひとりの社員が主役(アメーバ経営の誕生/市場に直結した部門別採算制度の確立 ほか)/第2章 経営には哲学が欠かせない(事業として成り立つ単位にまで細分化/アメーバ間の値決め ほか)/第3章 アメーバの組織づくり(小集団に分け、機能を明確に/市場に対応した柔軟な組織 ほか)/第4章 現場が主役の採算管理-時間当り採算制度(全従業員の採算意識を高めるために-部門別採算の考え方/「時間当り採算表」から創意工夫が生まれる ほか)/第5章 燃える集団をつくる(自らの意思で採算をつくる-採算管理の実践/アメーバ経営を支える経営哲学 ほか)


 


「一番以外はビリと同じ」――日本電産・永守社長の強いリーダーシップのもと勝ち続ける秘密は何か? 倒産寸前の三協精機を従業員の意識改革によりわずか半年で再生させたドラマを再現、「永守流経営」の真髄を描く。


 


「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた男、小倉昌男。本書は、ヤマト運輸の元社長である小倉が書き下ろした、経営のケーススタディーである。 全体を通して読み取れるのは、「学習する経営者」小倉の謙虚さと、そこからは想像もできないほど強い決断力である。成功した人物にありがちな自慢話ではない。何から発想のヒントを得たか、誰からもらったアイデアか、などがこと細かに記されている。講演会やセミナー、書籍、マンハッタンで見た光景、海外の業者に聞いた話、クロネコマークの由来…。豊富なエピソードから伝わってくるのは、まさに学習し続ける男の偉大さである。


 


お役所頼みで補助金頼りの福祉政策では障害者の幸せは実現できない! いまこそ「もうかる経営」を実践して、障害者が「自分で稼いで生きていける」仕組みを完成すべきだ! 宅急便の生みの親にして、数々の国の規制と戦った小倉昌男元ヤマト運輸会長が、みずからの私財を投入したヤマト福祉財団を率い、福祉の世界の革命に乗り出した。「福祉」の美名のもとに、いっこうに障害者の幸せにつながらない今の福祉政策を徹底的に論破し、自ら考案した焼きたてパン販売事業や製炭事業の伝道で障害者施設のビジネスに経営力をつけさせ、毎年多くのセミナーで福祉関係者に「経営」の真髄を伝授する。真の市場主義者にして民主主義者、小倉昌男のほんとうの「ノーマライゼーション」社会を実現させるための理論と実践の一冊!


 


姉妹サイト おすすめのビジネス書、名著、必読のベストセラーの本棚

 

 


inserted by FC2 system